2008年02月28日

ヒソヒソ話し

あれは、数日間の夏休みが取れ
大阪に住む友人宅へ遊びに行った帰りのことだった。

前の晩、久しぶりに会った友人と酒を飲み
起きるのが遅く、友人と別れたのは午後2時を回っていた。

オートバイを走らせながら、東京までの道程を思案しつつ
気ままな気分で一般道を走った。
地図は見ずに、ただ東京方面だけを目指し
途中、何処かで睡眠をとってノンビリと帰ろうと考えた。

しばらく走ると、雲行きが怪しくなり
山道に入った辺りで、雨が降り出した。
”早いとこ、この山を越えてしまおう”そう思い
オートバイを走らせた。
しかし、行けども行けども山道は続き
ヘッドライトに照らされた空間以外は闇に包まれた。

雨足は強まり、寒さを感じ始めた時
自動販売機と閉まってしまった売店を見つけ
その売店の軒下で雨宿りをした。

しばらく休み、時計を見ると
午後10時過ぎ頃だったか・・・。
”ここに居ても仕方がない”
走れるところまで走ろうとオートバイに跨った。

しばらく走ると、小さな集落があり
ぽつりぽつりと民家があった。
その少し離れた上り坂の途中に公園があり
公園の中には東屋とベンチがあった。
雨は止みかけていたが、俺はそのベンチで一眠りする事にした。

公園にオートバイを入れ、ベンチに横になった。
道路と反対側は壁になっており、その壁は
上り坂の先で交わっていた。

寝袋に包まり目を閉じていると
ケタケタと笑う声が遠くに聞こえた。
子供が数人で遊んでいるのか、今度は
コソコソと何かを相談している。
そしてまた、ケタケタと笑う。

俺は、ハッとして目を開けた。
時計を見ると午前1時過ぎ。
こんな時間に子供が遊んでいるわけがない。
近くの民家から聞こえてくるのか・・・。

俺は飛び起き、坂を下り
一番近くにあった民家に耳を澄ませた。
電気は消えている・・・。何も聞こえない・・・。
不思議に思いながら公園に戻り
今度は、坂を歩いて上ってみた。

坂を上っていくと公園から伸びる壁も低くなっていき
やがて坂道とぶつかった。
俺の目の前には大きな門があり、その向こうには
広い校庭が広がっていた。
門の脇には【〜〜小学校】の大きな表札。
坂の上から公園を見下ろすと、あの東屋は
ちょうど校舎の真下にあった。

俺は慌てて東屋に戻った。
オートバイに寝袋をくくり付け、走り出すまで
悪戯な視線を感じていた。





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